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祭りの後




一つ一つ、数えなくてもいいほどの幸せがあるという贅沢。





神風と雪白の、二人並んで帰っていく後姿。
飛び跳ねたあと、踊るような足取りで歩いていく織純、
ひらりと手を振って、溶けるように人ごみにまぎれていった真田。
それぞれと手を振って別れ、何となく見送った後、
江間は蜜琉に笑いかけた。

「―――乗ってく?」

わざわざ確認したのは、
当たり前のことにしてしまうのが躊躇われたからだ。
蜜琉はいつも、そうするのが自然だという距離にいるから、
慣れてしまいそうな自分が怖い。

「お願いしてもいいかしらっ!」
「オレはいつでも大歓迎ッ」

自転車を置いてある場所まで歩きながら、
手に入れた軽い箱を放り投げては受け止める。

少し力を入れたら容易く潰れるような、安物の箱だ。
取り出してみれば、玩具のネックレスはとても軽い。
金鍍金のプラスチックの鎖、
中世を思わせる過飾を施された台座。
カットされた赤いガラス玉が、乱反射してちかちかと光る。

熱心に眺める江間を見て、
黒猫のぬいぐるみを抱いた蜜琉がおかしそうに笑った。

「ね、聞いてもいい?」
「なーに?」
「他にも良将ちゃんが欲しそうなのいっぱいあったのに、どうしてそれ狙ったの?」

小学生の女の子が喜ぶようなそれだ。
面白がられていることに気づいて、江間も笑う。

「…綺麗だなと思って!」

代替として楽しませるために作り出された、精巧なイミテーション。
安物でガラクタで、本物には敵わないもの。
江間はこういったものが無性に好きだった。
何となく    が自分と   のような気がするのだ。

手かして、と左手で招くように指をひらひら動かす。
なぁに、と他愛なく手を伸ばした蜜琉に微笑み、
そっとその甲をつかむと上向け
白い手のひらにペンダントを落とし込んだ。

「あげるっ」

いつからだろう。
綺麗なものを見ると、まるで象徴のように蜜流が浮かぶ。
もっと綺麗でもっとさりげなく似合って、
そして本物の輝きを持つものを、
彼女はたくさん持っているだろうけれど。

「…えーっと、まァ、捨てていーから!」

言い訳のように付け足すと、
蜜琉は目を丸くして、捨てたりしないわよぅ、と言った。
どうしてそんなことを言うのか分からない、という表情は、
ひどく江間を幸せにさせた。






名称 :金ぴかで偽宝石が綺麗な玩具のネックレス
種別 :アクセサリー(大事なもの)
分類 :おもちゃ (楽しむために使用する、遊び道具です。)
設定 :結社仲間との射的大会で、良将(b23890)を勝利に導いた影の立役者。

レベル :0
修正値 :0/0/0
入手場所 :シナリオ「暑い夜の熱い盆踊り」



ところでMSさま、ネーミングが素敵すぎやしませんか。
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